小さな小さな俺様王子様
「さ~て、どうやってこの借り返してやろうかな~。」


耳元で低い声で言われ、ビクッと体を揺らしてしまった。


「レオの傷の手当てをしたのは、私よ!」


「別に頼んでねえし、お前が勝手にやった事だろ?」


「お前、お前って私にはクレアて言う名前があるのよ!」


そう言って頬を叩こうとすると手を掴まれた。


「チビのお前には、もうやられねえよ。」


レオはそう言って顔を近づけてきた。


月は雲が出てきて隠れはじめ暗くなっていた。


(キスされる!)


体を強ばらせていると、レオの体が縮んでいることに気づいた。

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