小さな小さな俺様王子様
ビンに入った1枚の花弁は一点の汚れもなく綺麗なピンク色に染まっていた。


「自分で言うのもなんだけど綺麗だろう?もう少ししたら花が散り新しい葉が生えてくるんだ。」


「えっ?ずっと咲いているわけじゃないのか?」


「また来年咲くさ。私達は、花が咲いては散ってを繰り返しているんだ。」


「なんか寂しいな…。」


俺がそう言うと桜の木は不思議そうにしていた。


「何で寂しい?」


「綺麗な物はそのまま綺麗に取っておきたいだろ?」


「ずっと綺麗だったら、ありがたみを忘れるからさ。こうやって1年の中で少ししか咲かないからこの花の価値があるのさ。」


俺は理解が出来ず首を傾げていた。
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