小さな小さな俺様王子様
しばらくすると下から声が聞こえてきた。


「桜の木~。ここらへんで小さくて髪が緑で目が紫の男の子見なかった?クレアが探してるんだけど!」


「リッツじゃないか。その子ならビンに入って私の枝に引っ掛かっているよ。」


「何だって!ビンに入ってるとなると俺だけじゃ助けられそうに無いな~。」


リッツというリスはそう言うと木にスルスルッと登ってきた。

コンコンと俺の入ったビンを叩くとリッツは考えるようにまたスルスルッと木を下りてしまった。


「おいリス!早く出せ!!」


「慌てない慌てない。ちょっと待ててな。仲間連れてくるから。」


リッツはそう言うとトコトコッと走って行ってしまった。
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