小さな小さな俺様王子様
「私ね………。」


しばらくするとクレアは話し始めた。


「私ね、6歳の時の記憶が無いの。お父さんが死んだ年なんだけど………」


悲しそうな顔でクレアは言ってきた。


「記憶が無いのか?」


「6歳の時の記憶だけが抜け落ちてるみたいなんだ。気づいた時は、お父さんはこの世にはいなかった。」


「母親は何も言わなかったのか?」


俺がそう聞くとクレアは首を横に振った。


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