優しい雨
《今、仕事が終わってメール見ました。夜はOKです。楽しみにしています》

少し気恥ずかしい。すぐに彼から返信があった。

《よかった、空いていて。では、恵比寿の東口改札に六時でどうですか?》

恵比寿は私の家からは近い場所だ。

私が住んでいるところを分かっていて気を遣ってくれたのだろうか?

そういえば彼はどこに住んでいるのだろう?

私は何から開放されたように自分の内情を彼に話したが、彼のことについてほとんど聞いていないことに気が付いた。

どこに住んでいるのか、仕事は順調なのか、あんなに熱中していたサッカーは今もやっているのか、彼女はいるのか?
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