優しい雨
「高梨君も随分変わったんじゃない?これじゃあ、高梨君とだけ会ったら全然、分からなかったよ」

私は素直な感想を言った。すると内村君が

「そうだろう。こいつ人が変わったみたいに垢抜けたよな」と高梨君を褒めた。

その言葉で薄っすらと思い出した。

そうだ確か高梨君は真っ黒なストレートの髪に眼鏡を掛けていたのだ。

今は茶色くボリュームを持たせた髪形で、コンタクトにしたのか眼鏡は掛けていない。

これでは分からないはずだと思っていると、高梨君がふんっと鼻で笑い内村君に向かって言った。

「お前が変わらなさ過ぎるんだよ」

そういえばそうだ。高梨君の言葉に私は笑って言ってしまった。

「確かに内村君は全然、何にも変わってないよね」

「どういう意味なんだよ」内村君は照れ笑いをした。
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