優しい雨
修一は長く勤務していた営業課から、カスタマーサービスセンターに主任として移動になった。

景気の悪さが影響して、センターは人員を削減したばかりだった。

修一には少人数で効率良く仕事を回していく工夫が求められたが、九人から五人と半分近くに減った人数で、変わらない量の仕事をこなすことは並大抵のことではなかった。

日中は仕事に追われて、効率の良いやり方など考えている暇もなかったのだろう。

修一は帰宅時間が夜中になることも多かった。

それでも帰って来てから、到底合うはずのないマンパワーと仕事量の帳尻合わせに頭を悩ませていた。
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