優しい雨
次の日曜日、いつものように清掃の仕事が終わると、私は彼に電話を入れた。

日曜の午後は出掛けることが多い私達だったが、今日は朝から雨が降っていて、天気予報では梅雨らしい一日だというので、彼の部屋で過ごそうということになった。

私は夫の外泊が決まりそうなので、これからはなかなか会えなくなることを彼に話さなければと思っていた。

それからどうして自分と付き合ってくれているのかも、彼に訊こうと思っていた。

彼の答え次第で、私はひどくつらい気持ちになるかもしれない。

それ以前に、もしかしたら夫の外泊が始まり、なかなか会うことが難しくなるのなら、もういっそ付き合うのは止めようと言われるかもしれない。

話が別れ話へ転じたらどうしよう。



本当の彼の気持ちを聞くのが怖い。


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