ほっとちょこれーと *【完】
「あ……」
ドーン
「はじまった」
みんな藍田先生のことを若干無視して空を見上げる。
「きれい」
トントン
隣の翼君があたしの肩を叩く。
「ん?」
「来年は……2人で見ましょうね」
「うん」
クスクス笑いながら頷く。
翼君可愛いなぁ~
「……先輩」
「はい」
「やっぱり、来年まで待てない」
「え?」
首を傾げると翼君が、しぃって人差し指を口に当てる。
あたしの手を掴んで立ち上がった。
「足元、気をつけてください」
きゅん
う……不覚にもときめいてしまった。
みんな花火に夢中で、あたしたちが抜け出したことに気づかなかったみたい。
あとで大騒ぎだよなぁ。特に藍田先生と勇心君あたりがね…
「心結先輩、俺のこと捨てないでください」
花火の音で消えそうなくらい小さな声
「来年も再来年もずっと捨てないでね?」
「……翼君」
熱しにくく冷めやすいあたしの性格、わかってる?
口だけの約束はいたくないって思うの。
「先輩が結婚しても一緒追いかけますから」
ここにきての
ストーカー宣言?