ほっとちょこれーと *【完】
ドサッ
「さんきゅ 心結」
「こんな分厚い本とか聞いてないんだけど?」
数冊は数冊でも重さ半端ない
結局、授業 遅れちゃったしさ。
席に戻る。
新学期になりたてでまだ名簿番号順の席だから
隣は誉
きりたに と きむら だからね。
「お疲れ~ 桐谷」
「ありがと」
「なんで特進の担任があいつなんだろーな」
……たしかに
「こき使われる予感」
「………。」
なんか本当にそんな気がする。
「こぉら!!そこくっちゃべんな 馬鹿」
不良教師 言葉遣い!!あんた国語の先生なんだから。
「ねぇ 桐谷」
ボソッと小さな声で話しかけてくる。
「1つ質問してもいい?」
「うん」
「都築ちゃんって彼氏いるの?」
「…いないんじゃないかな」
好きな人が颯斗な訳だから。
「なんで?」
「いや 別に聞いてみただけ。特に理由とかねぇからなっ」
「………ふーん」
好きになっちゃったんだ。
一目惚れ?
わかりやす。あたしでもわかるんだけど…
まぁー
誉には1mmも興味ないあたし、サッカー下手だもん♪
元副キャプテンなのにね。