ほっとちょこれーと *【完】
「ずっとそんなこと思ってたんだ 早く言ってほしかった」
「……灯璃」
「あんたみたいなのこっちから願い下げだよ」
そう吐き捨てて緋絽に背を向ける。
あたしの横を通ってそのまま教室を出た。
「「………。」」
「し…失礼しましたぁ~」
苦笑いで頭を下げる。
軽く緋絽を見てまた灯璃の後を追いかける。
「………。」
こういうとき何て言ったらいいんだろ…
等距離のまま灯璃の少し後ろを歩く。
「……。」
気まずい
「メールで別れ話なんてひどいと思わない?」
灯璃
急に立ち止まって振り返る。
「理由も言わないで別れようってだけ言われて誰だって怒るでしょ?」
「……うん」
「むかつくでしょ?あたしじゃなくったってキレるに決まってる」
メール見てすぐ本人に会いにいっちゃうのは灯璃くらいだと思うけど…
普通こわくて聞けないよね。
「だから直接理由聞きたくて問い詰めに言ったのに………返り討ちだよ」
俯く
「我慢させちゃってたんだね。何にも言わないから、お互い幸せだと思ってた」