ほっとちょこれーと *【完】


結局 灯璃は教室に戻るとすぐ早退した。



「ごめーん。キレすぎて疲れちゃった♪」



なんて笑ってたけど相当落ち込んでると思う。



「あいつ大丈夫かな」

「うん……たぶん」


「緋絽もひどいよな」



颯斗が言う。



「何言っても八嶋は傷つかないと思ってんじゃね?」


「………。」



緋絽はそういう人じゃないと思うけど、どうだろ?



「あたしは灯璃のこと扱いきれる人は緋絽しかいないと思ってたんだけどな」



あんな気性の荒い子


普通の人じゃ3日で疲れる。いや半日で疲れる。




1年以上付き合ってたから、緋絽はそういうの気にしてないと思ってた。




「口に出さなきゃさ、伝わんないことばっかだよ」


「……まぁな」



あたしも灯璃も言いたいことは言っちゃうからそういうとこ似てる。


うじうじされると説教じみたことするし


キレるとスイッチが入る。


だから我慢する人の気持ちとかよくわかんない。




「あたしはわかるな。鈴木君の気持ち」


笑ちゃんが言った。




「その人のこと大切だからこそ、言えないこともあるんだよ。耐えて耐えて………もう限界だったんだよ」


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