ほっとちょこれーと *【完】
the past
「みぃーゆちゃん♪」
遠くから手を振ってるのは羽実ちゃん
「久しぶりぃ~」
手を振り返すと羽実ちゃんはあたしの近くにトコトコやってきた。
「ごめんね。せっかく勉強教えてくれたのに羽実テスト受けれなくって…」
「ううん 全然」
お礼言うなら颯斗に言ってほしいな。
「でもよかったね 那岐と同じクラスになれて」
「……うーん」
あたしがにっこり笑うと羽実ちゃんは少しだけ微妙な返事をした。
「嬉しいけど女の子の知り合いがいないから………羽実ちょっと浮き気味なの」
「そうなの?」
「やっぱりどうしても特進から来た!!って目で見られちゃうから辛いなぁ」
「そっかぁ……」
「次のテストで絶対に特進に戻ってやる~!!」
羽実ちゃんが大きくガッツポーズをする。
「そうだ 特進に都築ちゃん入ったでしょ?」
「うん 一緒にいるよ」
そっか、羽実ちゃんは笑ちゃんと同じ部活だったな。
「いろいろ大変だと思うけど頑張ってね☆」
「大変?」
「だって都築ちゃん。伊吹君が好きでしょ?」
「うん」