ほっとちょこれーと *【完】
「あいつの放心状態っぷりあからさますぎねぇ?」
「……たしかに」
八嶋先輩たちが別れて以来
おかしい
郁哉と武宮を観察しながら話してる。
「そーいや最近センパイとはどおよ」
なんの前触れもなく郁哉が口に出した。
「順調……かな」
特に何も進展はないけど
捨てられないだけましなんだと思う。
心結先輩に捨てられた人だって何人か知ってるから。
「先輩の誕生日に俺の家に呼ぼうと思うんだ」
「へぇ やるな 翼」
ニヤニヤする郁哉
「プレゼントは俺です♪……的な?」
「違ぇよ バーカ」
ちゃんとプレゼント用意するつもりだし
んなこと言ったらキレられる。
「そういや郁哉、お前カノジョいたっけ?」
いろんな女の子と遊んでるみたいだけど
まじな話って今まで聞いたことなかった。
「好きなやつならいるよ」
「へぇ 付き合わないの?」
「その人に好きなやついんだよ」
複雑
大変そおだな。
「気持ち伝えたの?」
「いや いいんだって、その人が幸せさえになってくれれば」
伊吹先輩みたいだなぁ~