ほっとちょこれーと *【完】

「俺のものになってよ」

「へ?」

「先輩」



翼の顔が近づいてくる。




「……っ」



キス


そのまま押し倒されて、翼の言葉の意味をようやく察するあたし。


アウェー感


あたしは初めてだったりする。


でも翼は違う。




『あたし捨てられてきた女の子たくさん見てきたの』


瑞希ちゃんの言葉がちらつく。




『身体だけの関係とかも結構あったから』



こんな風にほかの女の子にもキスして、身体 重ねたんだもん。





「心結先輩 好きだよ」


『あたしは翼のセフレの1人でした』




こんな風にみんなに甘い言葉かけてたんだもん。



別に……あたしが特別なんかじゃない。







「ぃ……やだっ」



「……先輩?」


気づいたときには翼のことを突き飛ばしてた。





「あたしは……翼とそういうことしたくない」


イヤなの イヤだ。


今 ヤッたらあたしも捨てられちゃうかも…やっぱり遊ばれてるだけかも。


考えたくもないのに、いやな想像ばかりが頭をよぎる。




「俺とできないって……どういう意味?」


「………。」

「俺のこと嫌いなの?」


「………。」



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