ほっとちょこれーと *【完】

「………っ」


いつの間にか涙出てるし、止まんないしっ


しかも翼は追いかけて来ないし!!


なんだよ……今気づいた。



あたし、こんなに翼が好きじゃん。





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心結先輩が出て行って一気に寂しくなった部屋。


『あたしが卒業してから誰とどんな恋愛してきたのよ』




泣きそうな顔でそう言った先輩を思い出すと

どうしても今は追いかける気になれない。




「何が嘘つきだよ…」


空中に言葉を浮かべる。


かなり傷ついたし、泣いちゃいそうだし


みっともないな俺。




嘘なんかついてないよ。




俺は本当に心結先輩 一筋だったよ。


誰かに聞いたんだろなぁ…

俺の過去



振られて忘れようとして、たくさんの女抱いて彼女作って


『俺に似合う彼女』を必死で探した。

心結先輩に言われた通りに…



それでも見つからなくて忘れられなくて


心結先輩の知らないとこでずっと苦しんでたよ。


やっと手に入れて報われて幸せだった。







なのに……先輩は何もわかってない。


俺がどんな恋愛してたっていいだろ?






俺を振って捨てたのは先輩じゃん。




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