ほっとちょこれーと *【完】
落ち着かないな~
学校行こっかな。
あたしは翼の家からそのまま駅へと向かった。
みんな文化祭の準備してるかな。
「あっ……」
目があう。
ジャージ姿の要君がいる。
「おはよーございます。桐谷先輩」
苦笑いの要君
おはよーってもう12時過ぎだよ。
「だめじゃんキャプテン」
「……寝坊っす」
ポリポリと頭をかく。
「桐谷先輩も今から学校?」
「うん」
「あれ 今日ってたしか結城と…あっ いやなんでもない」
「いいよ。気いつかわなくっても」
言葉を濁す要君にあたしは言う。
「喧嘩したわけじゃないけど勝手に家飛び出しちゃった」
「そうなの?」
「……うん。悪いのは全部あたし」
打たれ弱~いガラスのハートなのです。
笑ってみせると要君は真面目な顔で言った。
「簡単に別れるとか考えないでくださいよ」
「え?」
「うじうじ悩んでる桐谷先輩は俺が好きな先輩じゃない」
「……要君」
「お願いだからいつまでも俺の憧れでいてよ。いつもの先輩が好きなんだからさぁ~」
ありがと要君