ほっとちょこれーと *【完】
「何があったか知らねーけど、そんな顔してる心結のことほっとけるわけねーじゃん」
ポンと頭を撫でる。
「泣けよ。思いきり泣けばすっきりするかもよ」
「………。」
「俺 外出とくからさ。今日はたぶん誰も図書室来ないと思うし」
だから
ここなんだ。
颯斗の優しさに我慢していた涙が滲む。
「じゃ 戻るわ」
「………。」
あたしに背中を向ける颯斗
「待って」
思わず呼び止める。
「1人にしないで」
颯斗の背中に抱きつく。
「泣き止むまで……1人にしないで」
無性に寂しくて苦しくてモヤモヤしてて
でも翼が恋しくて会いたくて
矛盾した感情が一気に押し寄せてきて、頭パンクしそうだよ。
今はそばにいて欲しいの。
……誰でもいい。
颯斗の身体に回した腕に力が入る。
「俺なら……心結のこと絶対に泣かせたりしないのに」
「……っ」
颯斗の背中で声を殺して思いきり泣く。
「心結が不安になること絶対したりしないし、1人にしたりしないしずっと大切にするのにな」