ほっとちょこれーと *【完】

「何があったか知らねーけど、そんな顔してる心結のことほっとけるわけねーじゃん」


ポンと頭を撫でる。



「泣けよ。思いきり泣けばすっきりするかもよ」

「………。」

「俺 外出とくからさ。今日はたぶん誰も図書室来ないと思うし」



だから

ここなんだ。


颯斗の優しさに我慢していた涙が滲む。




「じゃ 戻るわ」

「………。」



あたしに背中を向ける颯斗



「待って」


思わず呼び止める。




「1人にしないで」



颯斗の背中に抱きつく。




「泣き止むまで……1人にしないで」



無性に寂しくて苦しくてモヤモヤしてて


でも翼が恋しくて会いたくて


矛盾した感情が一気に押し寄せてきて、頭パンクしそうだよ。



今はそばにいて欲しいの。

……誰でもいい。



颯斗の身体に回した腕に力が入る。




「俺なら……心結のこと絶対に泣かせたりしないのに」


「……っ」




颯斗の背中で声を殺して思いきり泣く。





「心結が不安になること絶対したりしないし、1人にしたりしないしずっと大切にするのにな」



< 151 / 300 >

この作品をシェア

pagetop