ほっとちょこれーと *【完】
「はぁ………」
「大丈夫?結城」
全然 大丈夫じゃねーよ。
あの日以来心結先輩に連絡してない。
完全に腰が引けてる俺
伊吹先輩は告白しないだろうって、遠くから見守ってるだけだって油断してた。
心結先輩どうするんだろ……
あの日先輩にも渡したペアリングを見つめる。
3年越しの恋、こんな簡単に終わっちゃうのかな?
「会いに行けばええやん。お前ら付き合ってんねんから」
「………。」
それができたら苦労しないよ。
真っ正面から向き合ったとこで、正々堂々戦ったとこで
伊吹先輩に勝てる自信が俺にはない。
「……別れたほうがいいのかなぁ」
「何弱気なこと言っとんねん。入学当初より明らかにパワーダウンしとるやん」
パワーダウンか……
入学したてのときは心結先輩に俺の気持ち気づいて欲しくて
男として見て欲しくて無理やりいろんなことした。
先輩にイヤな顔されても気づかないふりをした。
それでやっと結ばれたんだ。
「………。」
先輩に会いに行こうかな。
「結城 光っとるよ」
武宮が俺の携帯を指差す。