ほっとちょこれーと *【完】
「だから別に那岐のこと嫌いとかじゃないよっ」
はにかむ羽実ちゃんを見て、藍田先生の言葉の意味に気づく。
不良教師……知ってたなら教えてよ!!
イライラと安心が一緒に押し寄せる。
安心のほうが、大きいんだけどね。
「心配してくれてありがとう。こんなことなら心結ちゃんに相談しとけばよかったな~
灯台デモクラシーだね」
灯台デモクラシー
おそらく
灯台元暗し
大正デモクラシー?
相変わらずの日本語弱さ。
「そうだ、藍田先生で思いだしたんだけどね」
「うん」
「あたしが学校でるときね、藍田先生と結城 翼君が一緒に歩いてるの見たよ。もんのすごい形相で」
「………。」
サァーっと血の気が引くのが自分でもわかる。
「心結ちゃん?」
羽実ちゃん
それ早く言って…
「ごめんっ また明日ね」
翼と藍田先生
話してることがあたしのことだったとしたら…
突然のメールの意味がわかる。
嫌われたのかも…
あたしは駅から学校までの道のりを全力で走った。
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ピンポーン
「やっぱでないか…」
―ガチャ
「………颯斗君」
「あ、都築おっす」