ほっとちょこれーと *【完】


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ギィ……

屋上なドアの錆びた音が響く。

ドアを開くと視界に飛び込んでくるむかつくけど大好きな人の後ろ姿




「翼」



声をかける。

振り返る翼は全く笑ってなくて、あたしは思わず身体を強ばらせた。




「心結先輩」


近づいてくる。

聞いたんでよね?怒ってる?



「……。」

軽蔑してる?



「先輩、藍田先生のこと本当ですか?」

「……うん」

「そっか。今までどこいたんですか?」

「……へ?」





予想外の質問にすっとんきょうな声がでる。


「え…クラスの友達の家だよ」

「伊吹先輩と?」




なにが言いたいの?





「先輩は誰とでもキスできちゃうんだ」



「……そんなことっ」


「だってあの日、好きでもない俺にキスしたじゃん」





翼の目があたしをとらえる。

そんな顔しないで…




「伊吹先輩ともできるんでしょ?」

「………翼っ」

「自分のこと好いててくれてたら誰でもいーんだろ?」





語尾がきつくなる。





「何回?」

「………。」

「藍田先生と何回キスしたの?」

「………3回くらい」





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