ほっとちょこれーと *【完】

言い終わると翼は、いきなりあたしにキスをした。






「………ちょ、翼?」

「先輩」

「………っ」




もう1回

何回も




「ねぇ、翼」


あたしは続ける。



「怒ってないの?軽蔑しないの?こんなあたしのこと……嫌いにならないの?」

「黙って」




あたしの唇を塞ぐ。







「俺ね…今もんのすごく妬いてるの。嫉妬で死にそう、てかこのまま押し倒してやりたいくらい」




………え?




「嫌いになんかならない。こんなに先輩が好きだよ」

「……翼」

「だから10倍返し」

「10倍?」




「藍田先生の10倍キスね」

「………。」





10倍?


そう言うと本当に30回キスをして、ようやく離してくれた。




「先輩は無防備すぎんだよ」

「…そんなことないよ」



「俺以外のヤツと話してるだけでもむかつくわけ」

「…ごめん」




翼、そんなに妬いてくれてたの?




「藍田先生は一発殴っといたから。まぁ、本音は一発じゃ足りねぇけど」



殴っといてくれたんだ。




「ね、翼」

「何?」

「敬語、なくなってる」

「あ……」



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