ほっとちょこれーと *【完】
「聞かせてもらってもいいかな?」
教室に誰かいる……
この声、笑ちゃん?
今日も休んでたのになんで学校来てるんだろ……
「俺さ、すごく考えたんだけど」
聞き慣れた声、笑ちゃんと話してるのは颯斗だった。
「付き合ってほしい」
え………今なんて?
颯斗の言葉に耳を疑う。
「………嬉しい」
笑ちゃんの声も聞こえる。
2人は付き合うの?
その場に固まったまんま動けなくなるあたし
颯斗の好きな子は……笑ちゃんだったんだ。
なんだ
2人は両想いだったんじゃん。
立ち上がって図書室に戻ろうとしたときに2人がキスしてる姿が見えた。
よかったね颯斗
よかったね笑ちゃん
頭ではわかってる。
だけど……なんとなくしっくりこなかった。
『バーカ』
いつもあたしを支えてくれた颯斗に特別な女の子ができる。
そんな当たり前のことがどこかしっくりこなかった。
「心結 遅かったね。携帯あった?」
「あ……忘れてた」
「「え~?」」
「痴呆症かよ!!」
アホ誉に突っ込まれる。
だって携帯どこじゃなかったんだもん!!