ほっとちょこれーと *【完】

cruel



「「2人付き合ってんの?!」」




誉と灯璃の声がシンクロする。

声でかいって……


颯斗と笑ちゃんが顔を見合わせて笑う。



次の日

さっそく一緒に登校してきた2人




「どういうこと~?ねぇ 何があったの!!」




納得いかないとでも言いたげな灯璃


「………。」


言葉を失ってる誉


「おめでとうっ」


初知りを装うあたし


こうやって2人で並んでる姿を見てると、本当にお似合いだと思う。





「………やべぇ。テストに全く集中できない」



世界史のテストが終わってすぐ頭を抱える誉




「……あたしも」

「なァんで桐谷もなんだよ」

「ですよねっ」



苦笑いをうかべる。



「まじ俺にはもう勉強しかねーわ」

「頑張ろうね」

「おう」



がっと肩を組む。



「笑 どうだった?」

「うん、なんとか」

「また一緒のクラスだといいよなぁ」

「うんっ♪」




少し離れたところで笑ちゃんと颯斗の声が聞こえる。


『笑』


名前で……呼んでるんだ。





いつか誰かに言われたことがある。


『颯斗君って心結ちゃんのことだけ名前で呼ぶよね』




今までは気にしたこともなかった。


< 196 / 300 >

この作品をシェア

pagetop