ほっとちょこれーと *【完】
名前で呼ばれることも、呼ぶことも当たり前だったから
あたしだけの特権
……だったのかな、なーんてね。
------------------------
「結城、どおやった?」
「んーそこそこ」
「唯菜ちゃん先生のおかげやなァ」
「おう」
武宮は八嶋先輩とめでたく付き合い始めた。
絶対
絶対
絶対にむりだと思ってたのに…
「あと1教科頑張ろおなっ~♪」
笑顔のコイツを見てるとほんとによかったなって思う。
報われてヨカッタな。
「そおいやな 俺、朝ものすごいもん見ちゃってん」
「んー?」
ヨカッタ………けどテスト勉強に集中させてくれ!!
ノートに目を落としながら、武宮の言葉を適当に流しながす。
「我らが伊吹大キャプテンが見知らぬ女子といちゃついててんけど」
「え?」
いまなんて?
「だぁから、女子と2人で登校してきてん。しかも朝から手なんか繋いどったもん」
「………。」
彼女……ってことでいいの?
伊吹先輩にカノジョ
「まさか。なんかの間違いじゃない?」
「んなわけないやん」
もう安心していい。
なのにどこか納得いかないのはなんでだろう…