ほっとちょこれーと *【完】
「お疲れ様でした」
「じゃあまた明日」
冬場は暗くなるのが早いから
6時に部活が終わるころには辺りはもう真っ暗
まぁ、俺は男だから危ないとかそういう考えはないけど
職員室に部室の鍵を返してから学校をでる。
街灯の下
1台の真っ赤な車
「………あ」
「待ってたよん」
唯菜さんだった。
「乗って」
「………。」
助手席を指差す
まじかよ
「誘拐っすか?」
何されるかわかんねぇ
「そんな顔しないでよう」
笑いながら今度は後部座席を指差した。
「何もしない。だから乗りなよ」
「………。」
少し迷って
「はい」
乗ることにした。
「じゃあ最後のドライブに出発進行♪」
アクセルを踏む
車はゆっくりと動き始めた。
「無断欠勤なんてらしくないっすね」
「ん?」
「俺たちに合わせる顔がなかったとか?」
「うーん……それもあるけんだけどね。そもそも゙無断欠勤"じゃないよ」
「………。」
「依願退職」
「………え?」
退職
学校やめるんだ
「明日にはどうせやめさせられちゃうから、その前にね」