ほっとちょこれーと *【完】
「どういうこと?」
「ぽち君には一足お先に全部話そうと思って、だから待ってた」
「………。」
「本当の目的とyuinaの一大スキャンダル」
唯菜さんの声のトーンが少し変わった。
「あたし子供がいたの」
「………いた?」
過去形
「中絶した」
「………。」
「前に話した大好きな人の弟との間にできた子供だった」
゙大好きな人の弟"
「8つも年下の子に手ぇだしたんだよ?相手は当時まだ中学生だし……」
引いた?
あの日みたいにまた少し笑う。
「事務所にも言ってないの。言ったら芸能界ではやっていけないと思ったから」
「……スキャンダル」
「なのにね」
「………。」
「脅迫状がうちに届いた」
唯菜さんは淡々と続ける。
「バラされたくなかったら協力しろって」
「………もしかして」
「そう。それがあなたたちのことだった」
「………。」
「最初は驚いた。心結は身内だし『え?』みたいなね」
「……でしょうね」
だけど
協力することにした
「傷物のあたしにとって芸能界だけが居場所だった」
「………。」
「どうしてもなくしたくなかった」