ほっとちょこれーと *【完】


「唯菜先生、学校やめたって」

「聞いた?」

「当たり前だよねぇ」



朝からその話でもちきり。

従姉妹としてなんとなく肩身の狭い思いをしているあたし



「『yuina 当時中学生の少年と妊娠 中絶の過去

芸能界復帰は絶望的か?』だってさァ」

「……わざわざ音読しないの。てかなんで持ってんの!!」

「ゴシップ雑誌ラブ」


灯璃の変な趣味をまた1つ発見してしまった。



「唯菜ちゃんって年下好きなんだねぇ~当時中学生ってことは今うちらと同い年くらいかな?」

「………。」


頭に浮かぶ人がいる

口には出さない

てか出せない。



「結局 何がしたかったのかわかんなかった」

「スカンダルだね」

「………。」


スキャンダルだよ


羽実ちゃんの間違いは小さすぎて今のあたしはつっこむ気にもなれなかった。


「あれ、那岐は?」


灯璃がキョロキョロと周りを見渡す。


「どっか行っちゃった」


たいして心配してなさそうな羽実ちゃんの口調

やっぱりこの子


那岐と唯姉の関係は知らなかったんだろうなって思う。



「探さなくていいの?」

「うん」


羽実ちゃんは頷く

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