ほっとちょこれーと *【完】
「桐谷先生ってとんでもない女やってんなー」
「………。」
「聞いとる?」
武宮の手にはなぜか雑誌
コイツ そんな趣味があったんだな……
頭の片隅でそんなことを考えながら
意識はやっぱり唯菜さんの最後の言葉にあった。
『中田 瑞希』
って確かに言ったよな?
クライアント……ってことは瑞希が俺らを別れさせようとしたってこと?
「………。」
ありえねぇ
だって瑞希は俺に協力してくれた。
心結先輩とだって仲良しだし、第一理由がない。
「翼、おはよ」
かといって唯菜さんが嘘ついてるようにも思えない。
現にスキャンダルになってるわけだし……
「はよ……って瑞希?!」
ガタガタッて椅子からひっくり返りそうになる。
「瑞希だよ?やだなぁ~人を幽霊みたいに」
いつものようにニッコリと笑う。
変わらずいつもの瑞希
「どうかしたの?」
「………いや、別に」
仮に
瑞希が唯菜さんを脅迫してたとする。
こんな平気な顔して俺に話しかけれるか?
んなわけねぇよな普通
「あたしの顔 なんかついてる?」
「………いや、別に」