ほっとちょこれーと *【完】
「………。」
おはようございます
結城 翼です
16歳になりました。
「ずるいな ほんと」
「………いる?」
「灯璃先輩からもらえるでええわ」
下駄箱に入ってるチョコレートを眺めてため息をつく。
彼女がいなかった中学の時よりひどい……
「゙お誕生日おめでとう"やって」
「……だね」
武宮が1つのチョコに書かれた文字を読み上げる。
「イケメンにはプライバシーもないんやな」
「………。」
とりあえずエナメルに入れる。
「翼君、受けて立ってくださいっ」
「………サンキュ」
「「キャー」」
廊下を歩いてて
手渡されるチョコレートやらプレゼントやらを受け取る度にキャーキャー騒ぎになる。
……なんだかなぁ
本命以外受け取んねーんだよ!!
とか言ってみたい。
人の善意を断れないボク
「はいっ 勇心君♪」
「俺ィ~?」
なんだかんだでニヤニヤじゃん武宮
さっきのはやっぱり強がりだったのか……
「チロルやん」
「………。」
思い切り義理チョコ
「超好き!!」
ここに
安上がりな男の子を発見してしまった。