ほっとちょこれーと *【完】
「はい」
「………ありがと」
「お誕生日おめでとう」
俺の目の前でニッコリ笑う瑞希
「………。」
「翼?」
「あ……わりぃ」
瑞希はそんなやつじゃないって1番俺がわかってるはずなのに……
「なぁ、瑞希」
「何ー?」
黙ったまんまじゃ気になるし、
違うなら違うって言ってもらったほうがスッキリするよな。
「俺と心結先輩を別れさせようとしてるのって」
「………。」
「瑞希?」
言っちゃった。
「ごめんな……いきなり変なこと聞いたりして」
「なァんだ」
クシャッと顔を崩して笑う瑞希
「バレてたんだ」
「………え?」
「口止めしたのになァ……桐谷 唯菜って口軽いんだね」
大きなため息をつく。
「え……うそ」
「あたしだよ♪」
「………。」
なんで瑞希が……
そんなことする必要があるんだよ。
「………なんで?」
心臓がバクバクしてるのがわかる。
「好きだから」
なんでお前はそんな風に笑えちゃうの?
「翼、好きだよ」
築いてきた関係がボロボロと崩れた。