ほっとちょこれーと *【完】
要君が俯く。
「だから信じらんねーな。先輩に彼女ができたの」
「………。」
「絶対に桐谷先輩のこと好きなのに」
「………やめてよ」
「話 聞いてもらえばいいんじゃないんすか?」
「やめてってば」
何も聞きたくない。
今そんなこと聞いたら、あたしはまた颯斗に頼りたくなる。
颯斗の優しさに甘えたくなる………
笑ちゃんにも、颯斗にも迷惑かけたくない。
「俺さぁ」
「………。」
「強い桐谷先輩が好きだな」
「……要君」
「だけどね」
あたしの腕を掴む。
「弱い先輩、ほっとけないんすよ」
「………。」
あたしは弱いの?
今のあたしは他人の目に弱く映るのかな……
「おい」
声
「てめぇじゃ役不足だ」
「「藍田先生?!」」
不良教師
いつからいたんだ……
「要 部活戻れ」
「………うっす」
要君をシッシッてする。
ありがとう
そして さよなら
「心結 やっと2人きりになれたね」
「………那岐と全く同じセリフだね 先生」
「別れたらしーじゃねぇか がははっ」
やばい 超うぜぇ……
「中田 瑞希か?」