ほっとちょこれーと *【完】


「心結先輩」

「はい」

「しばらく一緒に帰れないんです」

「はい?」



部活中にトコトコと翼君がやってきて、何かと思ったら…なんだこのカレカノみたいなノリ!!



「ごめんなさい」



いやいや謝られても

帰ろーね★なんて約束した覚えないし



「結城~ゲームやるぞっ」

「今行きます」


はぁ……



「じゃ そういうことで!!」



朝の電車の時間を毎日変えて、お昼はチャイムと同時に灯璃と出掛けて、部活OFFの日はすぐ教室を出る。

最近のあたしの日課


あからさまに翼君を避けてるのです。

ただ……部活の練習中に避けるのはさすがに気が引けるし

部活帰りはどっちみち電車同じだし

なんとなーく一緒にいる

てか勝手に隣にいる。

結城 翼


んー

帰れないとか理由でもあんのかな?

あんなにしつこくくっついてくるのに変なの。


うざ危ないやつから解放されて安心……なはずなのに気がかりなあたし

気になる

気になる?

何考えてんだあたし!!



「心結 どした?」

「な…なんでもない」



気まぐれな年下男にいちいち振り回されるほどもうガキじゃないし。
< 26 / 300 >

この作品をシェア

pagetop