ほっとちょこれーと *【完】
「よーくっ♪」
「……瑞希」
部活帰り 校門前
瑞希が1人で立っていた。
「ほな俺はこれで」
「………おう」
武宮はなんでか瑞希が大嫌い。
なんかされたか?
俺と瑞希が話してるとたいていはいなくなる。
なんか彼女とトラブってるらしい……
別れちゃえよ
なーんて考えてる俺はひどいやつだと思う。
「ありがとね 翼」
「何が?」
「別れてくれて」
「……瑞希のためじゃねーし」
心結先輩のため。
「心結先輩のためじゃないよね」
「え?」
「あたしじゃないなら自分のためだね」
「………。」
かもね。
「翼はいつも自分のためだよね」
「……誰のせいで別れたと思ってんだ」
「あたしは別れろなんて言ってない」
瑞希と並んで歩いている自分
どうしようもなく情けないと思う。
「選んだのは翼」
「………。」
「あたしのせいじゃないよ?」
「………。」
言い返さない。
つーか
言い返せない俺
「だったらやっぱりあたしのためだよ」
「なんで?」
「あたしを選んでくれたじゃない」