ほっとちょこれーと *【完】
「あたしは謝ってほしいんじゃない」
「………。」
しばらくして
ため息混じりの言葉
「苦しめたいわけでもない……」
「瑞希ちゃん?」
「順番は正しくなかったかもしれないけど……好きだったの」
顔をあげる。
瑞希ちゃんの涙は本物だと思った。
こんなにも
翼は愛されてたんだなぁと思う……
やり方は間違ってたんだろうけどね?
もっとちゃんと向き合っていたら
中学生の瑞希ちゃんと翼には別の道があったんじゃないかな……
あたしが言える台詞じゃないけど。
勇心君だったら゙悪女や"って言うんだろうね。
たしかにやってることは最悪だけど
あたしはどうしても瑞希ちゃんを嫌いになれそうにない。
どんなに恨まれてたって
あたしの中の瑞希ちゃんは一途で健気で
女版 伊吹 颯斗みたいな女の子
嫌いになれるわけないんだよ………
「瑞希ちゃん」
「………はい」
「翼のこと よろしくね」
「え?」
翼が決めたことは尊重したいんだぁ
彼は瑞希ちゃんを支えることを選んだ。
理由があたしを守るためだとしても同じ……
よろしくね?