ほっとちょこれーと *【完】
come and go
中学のときからあたしに告白してくる男子はみんなオクテな感じの人ばっかだった。
なんとなく付き合っても、手も握ってこないようなヘタレばっかりで
たいした喧嘩もせず自然消滅みたいな
オクテは同時の翼君も含めてだけど
だからあたしのモットーはいつも熱しにくくさめやすい
だったのね。
だから………
「先輩なんかいい匂いする」
「近いって」
今の翼君みたくからかってるにせよ猛アピールしてくるやつは異例のタイプで
「好きだよ~ 先輩」
なんか調子狂う。
「心結先輩、最近いつも同じ電車ですね」
「うん」
「嬉しいです♪」
「翼君のためじゃ……ないからね」
「避けないでいてくれて嬉しいです」
マイペースな翼君
「ねぇ」
「はい」
「翼君ってさ彼女いるの?」
颯斗が女かもとか言ってたし
なんとなく聞いときたいし。
「いるわけないじゃん。俺は先輩一筋ですよ♪」
うぅ
聞かなきゃよかったぁ…
どこまで本気かわかりゃしない。
「本気ですよ?」
返事しないあたしに念を押す翼君
本気ならなんで帰りいないのよ!……なぁんて聞けない。