ほっとちょこれーと *【完】
「今やめたら一生後悔することになりよ」
「………。」
「ねぇ 頑張ろうよ」
そう言って桐谷先輩は笑った。
その日から俺は先輩にくっついて回ってた。
全く相手にされてなかったけど……
「心結先輩っ」
俺なりの愛情表現だったんだと思う。
先輩に彼氏がいることも知ってた。
迷惑はかけたくないって思ってた……
一方通行だってよかったんだ。
だけど
やっぱり自分の思いを伝えようと決めた
中1の冬
「先輩」
告白なんて生まれて初めての経験
「好きです」
そもそも俺にとって初恋だったから。
「ごめんね…」
振られるのはわかってた。
だけどそれでよかった……
「あたしお子ちゃまに興味ないから」
何もないまま終わらせるほうがイヤだったから。
「だぁから ごめんね?」
「………。」
眼中にもないのはやっぱり寂しい。
「俺は心結先輩が好きなんです…」
引き下がりたくなんてなかった。
ガキなりの意地
少しでも心結先輩の記憶に残りたかったんだ。