ほっとちょこれーと *【完】
俯いていると
心結先輩は俺にキスをした。
何がなんだかよくわかんなくて
動けなくなる。
「翼君に似合う彼女 見つかるといーね」
え?
どういうこと?
キスの意味がわからなかった。
心結先輩が何を考えてるのかわからなかった。
残ったのは俺のキモチだけだった。
「翼?」
「……よくわかんねーや」
「何よ それ」
「最初っから好きだったのかも」
いつからかなんてわかんないよ。
初恋だから
俺は心結先輩しか知らない。
「先輩は?」
「………。」
「ずるいなぁ……黙んないでよ」
顔を背ける心結先輩
「あたしだって……わかんないもんっ」
「可愛い♪」
おでこにキスする。
昔のことはどうだっていいんだよ。
今 先輩と一緒にいられるからそれでいいの。
「ねぇ」
「ん?」
「俺がちゃんと就職できたらさぁ」
「うん」
「結婚してください」
まだまだ先になるかもしれないけど
今度は心結先輩が待っててくれるといいな。
俺はずっと待ってたんだから……
「………はい」
end ...