ほっとちょこれーと *【完】
「心結 行こうぜ」
颯斗があたしの手を引っ張る。
「あ…うん」
我にかえる
今 抱き合ってなかったかしら?
……抱き合ってたよね?
なんだよ
なんだぁ……
彼女いるんじゃん。
しかも
たしかあの子は中学のときの後輩
てことは彼女のためにこの高校選んだの?
「大丈夫?」
「別に」
藍田先生
あたしじゃないじゃん。
まぁ
ショック受ける理由とかないでしょ?
翼君のこと好きじゃないし
なのに
なんか苦しいモヤモヤする!!
「あぁ むかつく」
「え?!」
なぁにが先輩一筋だ。
全然違うじゃん!
やっぱからかわれてたんだ。
「颯斗 明日 カラオケ行こ」
「あぁ……」
「そのあと焼き肉行こ」
「……うん」
超うざい
うざいうざ~~い
別にさぁ
カノジョいるのは構わないけど、嘘つかれるのは腹たつ
ちょっとでも心許しかけたあたしがバカみたいじゃん!!
「てか颯斗」
「は……はい」
「いつまで手ぇ握ってんのよ」
「あ…ゃ…わりぃ」
「送ってくれてありがとー じゃあ」
「おう」
明らかにあたしの勢いに押されまくってる颯斗