ほっとちょこれーと *【完】
期末テスト当日
「はぁ~翼君…大丈夫かな?」
「あんたが心配しても仕方ないでしょ。ほら自分の勉強しなよ」
灯璃に教科書を渡される。
「おはよ」
「あ…おは 颯斗」
「やべぇ。昨日徹夜だわ 俺」
翼君の勉強教えてたからだよね?
申し訳ない。
「勉強しなくても特進でしょ~?もう1つ2つレベル上の高校受ければよかったのに」
灯璃が言う。
たしかに……1年の頃から頭よかったもんなぁ。
「なんでここにしたの?」
「内緒」
「え~?教えてよー!!」
「おいお前らくっちゃべってねぇで勉強しやがれ!!」
「「はーい」」
「テストおっぱじめんぞ」
藍田先生の言葉であたしたちは席につく。
なんだろ……颯斗がここ受けた理由、考えたこともなかったなぁ。
「だりぃ 眠ぃ」
「………。」
那岐は知らん。
頭の質が違うよね~
「……てか羽実ちゃんは?」
さっきから見当たんないんだけど。
「休みだよ」
「え?」
「知恵熱だってよ」
「………。」
あんなに頑張ってたのになぁ…
いたたまれない。
可哀相すぎる。