ほっとちょこれーと *【完】
「ねぇ 翼君?」
「はい」
久しぶりに隣を歩く、あたしと翼君
「どこまでついて来るの?」
ちょっと前まで駅でバイバイだったよね?
家 逆方向だし、夏近いしまだ明るいし!!
つーか
当たり前のように手繋がれてるし。
「家まで送らせてください♪」
「大丈夫だよ」
そういえば翼君
瑞希ちゃんが嘘ついてたって知らないっぽい。
勇心君、意外と口かたいんだね。
まぁ、あたしから言うことじゃないしいいんだけどさ~
「ねぇ 先輩」
「何?」
「1位じゃなかったけど俺 先輩のために頑張りました」
「うん」
「2位です。大健闘です」
「うん」
「ごほうびください」
「ん?」
翼君がピタリと足を止めるから
あたしも合わせて立ち止まる。
「キスしてもいいですか?」
真剣な顔で聞かれるとなんか困る。
ふざけてたら「調子乗んな!」とか言えるのに
言えるのにな……
「………いいよ」
自分の口から出た言葉
だけどなんだか信じられない。
自分が自分じゃないみたい。
あたし翼君のことどう思ってるんだろ?