ほっとちょこれーと *【完】
feelings
通勤ラッシュ
満員電車
向かい合わせに結城 翼?!
「先輩1本ずらして乗ればいいのに」
「いつもこれなの」
「先輩が他のオトコと密着してるのやだなー」
「しょうがないじゃん」
「俺これから毎日この時間に乗りますね♪」
「てゆーかさ……」
あたし
なぜか翼君の腕の中にいたりする。
身長差的にすっぽり
「……近ぇよ!!」
「だって狭いし」
はにかむ翼君
中学の時の可愛かった彼はどこへやら
変わらないのは笑顔だけで
見た目も性格もパワーアップしてないか?
「先輩は俺が守るよ」
ぎゅって
ぎゅうって……
エスカレートしてるし!!
満員ってだけで公共交通機関だよ。
アメリカンカッポーかよ!!
「だいたいあたしは朝練あるからこの時間なんだけど」
「知ってる♪」
「新入生はまだ部登録してないんだけど」
「知ってますって」
「なぜいる!!」
ギャーギャー騒いでると翼君はあたしの頭をぐっと引き寄せた。
「あんま騒がないで先輩」
「………。」
ひょっとして可哀想なのは
あのときキスされた翼君じゃなくて
あのときキスしたあたしなんじゃない?!