ほっとちょこれーと *【完】
「キャー!!」
地区予選準決勝
2―1 快勝
翼君が2点目を入れたとき、応援に来ていたたくさ~んの女の子たちのテンションは最高潮
今年は特に人数が多いよなぁ。
「お疲れ様」
「ありがとうございます」
試合が終わってすぐにタオルと飲み物を手渡す。
「次勝てば初の県大会出場」
颯斗が言う。
「絶対 勝てよ」
本戦は2週間後
勝てば颯斗も出れるかもしれない。
みんなの意気込みが違った。
でも……決勝の相手は前回の全国進出校
「ゃべ……緊張してきた」
特にプレッシャーを感じてるのは芯君みたい。
颯斗の代わりで試合に出てるからね~
1回戦からガチガチでDFを抜けたボールは決められてる。
翼君と要君の攻撃力がチームを支えていた。
「意地でも勝つ。先輩たちの夏、終わらせたりしないから」
「翼君………」
「見てて 先輩」
ピッチに立つ直前、翼君があたしに言った。
頑張ってほしい…
ここで終わらせたりしないで。
「大丈夫だよ」
藍田先生があたしの頭をくしゃっと撫でる。
「やつらを信じてみよーじゃん」
「………うん」