ほっとちょこれーと *【完】
ワンチャンス
たった1回の機会をものにする伊吹キャプテンは
やっぱり稀に見ぬスター性を持ってると思った。
いざキャプテンが本気を出せば
心結先輩なんて簡単にかっさらわれる。
男から見ててもあの人かっこいいし、あやかりたいし。
「結城 お疲れ」
「あ…キャプテン」
このタイミングかよ。
「ありがとな」
「お礼言うのは俺じゃないよ。言い出したのは長谷川先輩ですから」
「でもさ0―0で抑えてくれたし、ありがとう」
真面目な人だな~
「…てかキャプテンなんでここにいんの?」
俺 自主練したくて解散のあと1人で学校来たのに…
「大会の賞状、藍田先生が忘れてったから」
「あぁ」
怪我人なのに可哀想だな。
「ちょっとさ話してもいいかな」
「え…はい」
いきなりなんだ?!宣戦布告か?
「小さい時からずっとサッカーやってきたけど、中1のとき1回だけサッカーやめようと思ったことがあるんだ」
グラウンドのベンチに2人並んで座る。
「1年なのにFWで大会出てさ。先輩たちからのやっかみがひどかった」