ほっとちょこれーと *【完】
学校までの道のり
隣の翼君をチラッと見る。
たしかあの時
あたしが覆い被さってキスしたよなぁ
成長期 恐るべし
それに翼君坊主だったしな~
生えてるよ髪の毛
染めてるし変な感じ
顔立ちは中1のときから整ってたけど
まさかここまでイケメンになるなんてな…
「あのさ」
世の中
何が起こるかわからんよね。
「なんで手ぇ繋いでんのかな?」
思いっきり振り払う
「いいじゃん♪」
「よくない」
変な噂たてられたくないし
『イケメンは見て楽しむの。付き合うのは凡々の男じゃなきゃやっかみとかで厄介じゃん?』
八嶋 灯璃の名言より抜粋
「じゃ 朝練行くから」
シッシッ
翼君はふてくされたような顔をして
校舎のほうへ歩いて行った。
「見ーちゃった♪」
「ぅわっ」
突然両肩を掴まれる。
「モテモテじゃん」
サッカー部キャプテン&クラスメイト
伊吹 颯斗(イブキ ハヤト)
「そういうのじゃないから」
「あいつ 入学式のときにワーキャー騒がれてたやつだろ?」
「うん 中学の時の後輩」
「サッカー部入るらしいじゃん」
「うん まぁ下手くそだけどね」