ほっとちょこれーと *【完】
キャプテンはニコッと笑った。
「ありがとな」
「……いえいえ」
完全に負けてるな 俺
FWなのに攻撃最前線なのに
1人でプレーしてる気でいた。
自分しか信じてなかったのかも…
「まぁ……そのマネージャーの言葉がなかったらサッカーじゃなくてテニスとか卓球みたいな、個人技してたわ 俺」
「恩人なんすね」
「じゃあそろそろ打ち上げ行くな。てかお前行かねーの?」
「はい。ここにいることは内緒でお願いします」
「そっか」
伊吹キャプテンはそのまま歩いていった。
キャプテンは1人で戦ってきたから強いのかな…
なんか俺だめだめじゃん。
恩人……か
俺の場合やっぱり心結先輩なんだろうな。
『小さいからって諦めちゃうの?甘えたこと言ってんじゃねーよ!!背が低い分高くとべばいい、歩幅が狭い分速く走ればいい、それだけでしょ?努力もしないで簡単に諦めんな』
身長の壁にぶつかった中1の夏
初めてサッカーで挫折してもう無理だって決めつけて
部活やめるって伝えたとき心結先輩にいわれた言葉