ほっとちょこれーと *【完】
なんであんなこと言っちゃったんだろ…
今からでも遅くないから駅まで戻って謝りに行こうかな?
……強がったわりに弱虫な俺
いやいや
だめだ。
中途半端はもういやだし一方通行はイヤ
心結先輩の答えちゃんと欲しいよ。
「はぁ……」
ため息
まさかと思ったけど昨日のことまじで記憶ないんだ。
1人でドキドキ馬鹿みたいだ。
「翼君っ!!」
声
俺はピタリと足を止める。
「え……」
まじ?
振り返ると息を切らした心結先輩
「なんで?」
「……わかんない」
「は?」
「なんで翼君のこと追いかけてきたのかわかんない」
キレ気味の先輩が近づいてくる。
逆ギレ?
「そばにいても……いいよ」
え……空耳?
「てゆーかあたしのそばにいてよ!!」
俺を真っ直ぐ見てそう言い放った。
「先輩……」
ぐいっ
ほっぺにキスする。
「ちょ……翼君」
「そんなこと言われたら期待しちゃうよ」
俺はバカだから好きって解釈しちゃうよ?
「それでもいいの?」
「うん……いいよ」
心結先輩が俺の手を軽く握る。
「あたし翼君が好きだから」