運命と無数の涙。
彼の少し遠慮がちでおどおどした座り方に、思わず笑みがこぼれる。

「...?なにか面白い事でもありましたか?」

慌てた口調にまた、笑ってしまう。

「いえ。なんでもないですよ。」

「...?そうですか。」

「そうだ。あなた、岾校の人ですよね?」

「そうですけど...。あ、もしや...端山さん?」

知り合っても無いのに、当てられると正直驚く。

「は...はい。そうですけど...。なぜ、私の名前を?」

「え、っと....。それは...端山さん意外と有名ですから。」

彼はきっと何かを誤摩化した。

そんなふうに聞こえた。

それに、その言葉の意味も...。
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