運命と無数の涙。
「雨やまないかな...。」

長いまつげに小栗色の綺麗な瞳で空を見上げる。

そして、濡れている鞄をハンカチで拭き、ふたを開け、今日の朝図書室で借りた本を取り出す。

「本の主人公は、良いよね...。」

手の上にある本に、消えそうな声で声をかける。

誰も邪魔しないし、運命の人とかもいて、幸せで、家族がいて、時々哀しい事もあるけど、最後はハッピーエンド。

私にとっては、夢の様な話し。


その時
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