幸せ物語 KANON
「ユキ…いや,
花音です」
「…はじめまして」
「秋晴,なんのつもりだ。
一般人を連れ込むなんて」
「俺,本気なんです」
「言葉でいうのは
かんたんだろ」
「……じゃあ,
辞めます,芸能界」
「隆司!?」
「いい。花音は
黙っていて」
隆司は視線を社長に
向けたまま,
あたしに言った。
「かのんちゃん…
だっけ?」
「は,はい!!」
「秋晴,いっかい下がれ」
「え? はい…」
隆司は社長室から
出ていってしまった。
(なになにっ!?
あたしどうなっちゃうの?)